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2006/11/18

所持品紹介(2) 大きな玉を、手の下で。

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「その生きものは熟練工が持っていたすべての技術を習得して職工を追い出してしまった。
けれど、たったひとつできないことがあった」。それを行うには「人間の魂がいるのだった」
――ロード・ダンセイニ「妖精族のむすめ」(荒俣宏訳)より

機械は魂を持たないから、ヒトが「あのへん」と示した場所を認識することができない。
魂を持つヒトの仕事は、機械に分かる方法でそれを教えることだった。
それを教えてやらないと、「魂のない多忙な生きもの」は何をしたらいいのか分からない。

ポインティングデバイスの機能は、カーソル移動とボタンによるコマンドの2つに分けられる。
ただボタンを押したいだけだったのに、手が滑ると勝手にカーソルが逃げてしまうマウスは
あまり好きになれず、昔は専ら、移動とコマンドを独立して操作できるトラックボールを使った。

でも、一番のお気に入りだった“大きな赤い目玉のナメクジ”は、もう使っていない。
昔からずっとノートPCばかり使っていたが、最近のノートPCにはナメクジを接続できる
端子を備えた機種がほとんどなくなってしまったので、さすがに諦めた。

そのトラックボールが対応していた端子は、今では「legacy」と称されている。
機械が伝統を手軽に捨ててしまうのは魂を持っていないせいか。
熟練工を追い出した後には、過去の機械を追い出す新たな機械が登場するというコトか。

といっても魂を持っているはずのヒトだって他人の示すモノを確実に認識できるとは限らないし
伝統を省みないヒトも少なくないのだから、魂の有無など大きな違いではないのかもしれん。
いや、あるいはもしかしたら、“作りものの魂”を持ったヒトがいたりするのかも。

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