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2006/11/29

新鮮な遺跡

20061129_s


「すたびれてぃい」
廃れて寂れてイイ感じに安定(あるいは準安定)した状態を、勝手にそう呼ぶ。
人の好みは多種多様で、この「すたびれてぃい」な趣味ってのも、たまにあるのだ。

日本には廃線だの廃屋だの廃工場だの、そういうのが好きな連中がいて、聞いてみれば
管理人を拝み倒して廃鉱に潜ったり、船をチャーターして軍艦島まで行ったりするそうな。
その手の写真集は書店でも相当な人気があるようだ。

建造物が古ければ古いほど好きなのかといえば、そうでもないらしい。
たいてい、この手の輩は、鉄が腐食しきる前の状態を好む。
だから古代遺跡には、あまり興味を示さない。

朽ちたコンクリートも好まれる。特に鉄錆がコンクリの表面を染めて
赤い模様を残したのがたまらないという。
てコトは日本でいえば少なくとも明治以降でないといけないらしい。

滅び行くモノは美しいとでも言うのか、
滅びつつある状態こそが好まれるというワケだ。
滅びきった状態は、まあ日本だと土に還ってしまうのだけれども。

このクニでは、記憶も、すぐ風化する、ような気がする。
セルフリフレッシュDRAMのように繰り返し恨み辛みを語り継ぐ人々もいるようだが
慌ただしく季節が巡り、食えるモノも日々違ってくるような地では、覚えておくのも大変だ。

それはそれとして。
半永久的と言われたコンクリート建造物も鉄筋の錆によって内側から割れて崩れる。
ヒトの行ったコト、作ったモノなど、所詮そんなもんなんだろう。

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