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2007/10/28

ただ徒に機を待つよりも歩くが徒歩ほ

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アレは大学1年の頃だった。たしか金曜日だったと思う。
土日は部活の関係で、ちょっと遠くに出てキャンプする予定と
なっていたが、遅い時間の講義を受けている1年生が2人ほど、
最後まで聞いてから学校を出て直行するコトとした。

しかし講義が長引いた。全力で最寄り駅へ駆けったものの、
現地への最終電車を逃してしまった。田舎ゆえ接続が悪いのだ。
とるものもとりあえず電車に乗って移動するコトにしたが、
一緒にいた同輩が、電車内で足踏みをして焦っている。

思わず「地団駄を踏んだら早く着くのか?」と聞いてしまった。
電車が終わってしまえば、タクシー代もない貧乏学生だから歩くしかなかろう。
ただし電車内でなく道路や土の上を(なにせ、そういう部活なのだ)。
こうして同輩も落ち着いて、善後策を考える気になった。

ギリギリまで現地に近い駅まで電車に乗っていくと、残るは2~3駅。
田舎路線とはいえ10kmそこそこの道のりでしかない。歩ける。
2人で地図を確認し、荷物をまとめて夜道を歩き出す。
黙ってるのもつまらんので喋りながら歩き続ければ、もう着いたではないか。

といっても、すでに部活動は終わっていて、皆は焚き火を囲んで酒が回っていた。
「遅かったじゃないか」先輩や同期の連中が笑って、駆け付けの酒を差し出す。
「いやー、ちょっと講義が長引いてしまいまして」と、一気に飲み干す。
いささか温いビールだったが、汗をかいた身体には心地よかった。

のんびりした性格は、生まれつきか育ちのせいか良く分からんが、
いずれにせよ今ではすっかり分秒を争うのは苦手だ。というより嫌いだ。
先日、銀行のATMコーナーに寄ったら、ずいぶん混んでいた。
普通のATMの列に並ぶのが早いか、記帳機を使うのが早いか。

記帳だけなのだからと漠然と考え記帳機の列に並んでみたが、
前の方では通帳更新をする人が多かったせいか非常に時間がかかる。
アタマがヒマなので人の流れを眺めていたところ、
どうみてもATM列の方が早く進んでいる。

「記帳するだけならATMの方が早かったな」ボソリと独りごちた。
後ろの女性が、それを聞いたか即座にATM列へ駆けていった。
その女性がATMで用事を済ませてもなお、目の前の記帳機の列には
2~3人が残っていた。でも動かなかった。面倒だし。

いかにも無駄そうな時間でも、考え事をしていれば、すぐに過ぎてしまう。
そこにアクセクしてしまうのも勿体ない。
余計なアクセスはシステム全体のオーバーヘッドを大幅に増やす一方で、
かつ期待されるほどの効果が得られないモノなのですよと。

急ごうとする意識は焦りを呼び、そして多くの場合はつまらぬ後悔につながる。
焦って慌てた挙句の失敗では、結局どこにも心休まる瞬間がない。
同じく失敗するにしても、のんびり待ってのコトなら一時的には落ち着いている。
なので、まだマシなのではないかなと思ってみたりする。

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