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2007.11.01

出張旅行記(13) 城は連なる、断層の上に。

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夏、琵琶湖から流れる瀬田川の近くまで出張してきた。

日本最大の湖。内陸の湖ゆえに高潮や津波などの心配はないし、
波も外洋よりずっと静かで安定しているのが良い。

また、周囲の山々から流入する堆積物が多く肥沃な農地が湖岸に広がり、
豊富な栄養分で豊かな水産物が得られるのも大きな利点。

さらに、湖の水運は日本海側と近畿地方を結ぶ交通の要衝として、
湖岸の道路は西国と東国を結ぶ幹線道路として多くのヒトモノカネが流れる。

ゆえに岸辺には多くの集落が作られ家々が立ち並び
農業漁業商業それぞれの生業に人々が精を出す。

そして、ちょうど日本を東西に分けるポイントに湖や山があるもんだから、
為政者からみれば、ついつい押さえたくなる地域でもある。

古代に乙巳の変から始まって、天下分け目の戦いの多くが琵琶湖近くに
関係しているコトからも分かる。関ヶ原の「関」は関所の「関」だし。

近代になってからは鉄道や道路網も密に巡らされている。
工業用水や水運その他の利便性を活かして多くの工場が建てられた。

でも危険なのよね、この場所って。

多くの集落は不安定な地盤の上にあって大地震のたびに沈んだりする。
交通の要所を見下ろす絶好の場所は湖を取り巻く断層の上。
だからこそ多数の城が建ち並び、ときたま地震で倒壊する。

周囲の地殻の圧縮応力が微妙に抜けるポイントでは、
逆断層に囲まれ歪んだ紡錘形の湖ができやすいとも聞く。
たとえば琵琶湖とか諏訪湖とか、まさにそんな感じで。

周囲の山々の成長と同時に逆断層の窪地も成長し続けるので
いつまでも堆積物に埋め尽くされるコトなく広さ深さを保つのだと。
してみると琵琶湖のほとりで地震に見舞われるのは宿命ってワケだ。

でも重要なのよね。この場所って。

まあしかし日本列島なんぞに住んでいる限り、
どこにいようと数百年に一度くらいの割合で大地震に遭うのは
ほぼ確実に避けられないのだとは思うけど。

そもそも直近の研究成果をみている限り、
駿河湾や南海トラフや東京湾直下や国府津松田断層なんかが
地震発生の危険度でいえばよっぽど高いというコトらしいし。

てなワケで。

どうせ何処でも完全に安全でないというのなら、
こういう風光明媚で利便性の良い場所が、
やはり心安く暮らし易くて良いのだろうね。

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