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2007/11/17

半生紀(8) しんじゆく

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最初の就職先を辞めた後、しばらく実家の町工場で手伝いをしていた。

町工場といっても、ほとんど父方の実家の一族だけ。
まったく、吹けば飛ぶような零細企業だった。
父の腕前で辛うじて長らえていたのだと後に知る。

しかし当時、そんなコトにはほとんど気付かなかった。
むしろ、取引先に顔を出せば跡取りかと言われたり、父からも筋が良いと言われ、
退職を迫られたコトの苦痛が少しばかりは和らいだ気がする。

一方、社会の厳しさの一端を垣間見ていた直後だったから、
もし経営を継いだらどうするのか、などと考えたりもした。
いろいろ考え、少しは腕を磨く機会も与えられ、成長する気になっていた。

が、結果的には長く続かなかった。

当時のメモから推測すると、そもそも1年程度の期間をおいて
再びどこかに就職するつもりであったらしい。
さらに加えて、妻との出会いがあった。

詳細は端折るが、友達付き合いの気楽な間柄のグループで
都心の繁華街を飲み歩いていた頃、酔って喋る中で意気投合したのだった。
酒が結んでくれた縁と言えなくもないが、それはともかく。

彼女のために再就職しようと決意したのは間違いない。

しばらく付き合った後に再就職、さらに少し間をおいて同居、
そして2人だけの生活が続いて少ししてから入籍。結婚式は挙げなかった。
予算的な都合もあったし、そもそも2人とも強く興味を示さなかった。

ただ思いは一つ。2人で生活していけるコト。

その期待感のみを信じていられた、幸せな時期だった。

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