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2008.01.25

理系用語で読み解く社会(17) 誘導加熱

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昔、ある会社で働いていた頃、こんな出来事があった。
オフィスに、樹脂が焦げたような異臭が漂い、皆で原因を探したところ、
ある机の足許にあった延長コンセントが発生源であった。

そのケーブルは、長さが余ったためか丁寧に巻いて束ねてあり、
たまたま接続された機器が大電流を消費したために発熱したとみられる。
見事なまでのコイル誘導加熱現象だ。

誘導されて、というか、つられて熱くなる現象は、ヒトでもしばしば見られる。
「売り言葉に買い言葉」とは、よく言ったものだ。
些細な火種だったりしても、両者仲良く炎を育てている。

火種がどっちからもたらされたかを突き詰めようとすれば
却って混乱が増してしまうから、「喧嘩両成敗」が現実的。
そして結局「両者痛み分け」、3者なら「三方一両損」となる。

ときには、町を歩いているとき、すれ違う人々の会話が聞こえて
ネガティブな感情が流れ込んできたりする。
たとえば周囲に当たり散らしたり、くだらないコトに怒りを示したり。

何というかまあ、見ていて気持ちの良いものではない。
これもまた、つられてしまえば誘導加熱になりがちだ。
むしろ、熱くなってしまうのが自然なヒトの対応かもしれない。

が、それは現実であり、現世に生きる以上、
どれだけ逃げようとも離れられない。
せいぜい酒でも飲んで、流してしまえ。

丁寧に巻かれていた電源コードは、解いて乱雑に放置したら熱も冷めた。
キレやすい大人には、「真面目で几帳面な人」も少なくないという。
杓子定規だの、潔癖性だの、といった性質は誘導されやすいのかもな。

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