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2008/02/26

出張旅行記(17.7) 古いカミサマは死なず、消え去りもしない

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敦賀の街をブラブラと、駅から港まで歩いてみた。
冬の日本海側なので天候が心配だったが、
ときたま雲が空を覆う程度で、陽が出ればむしろ暑いほど。

しかし、雲の動きは速い。
目まぐるしく天候が変わるのが
このあたりの冬の天候の特徴なのかもしれないな。

豪雪地域特有の、アーケードや融雪・排雪設備が整った街路。
道幅は広く、車道と歩道の間には駐車スペースも充実している。
路面の積雪は、ごく一部。除雪作業も滞りない様子だ。

途中、大きな神社の前を通りがかった。気比神宮だ。
大鳥居は旧国宝、現在でも重文指定で、日本三大鳥居の一つだとか。
そういえば、ここに座するは昔ながらの地元の神であったな。

長い間、機内と日本海を結ぶ交通の要衝であった敦賀の地。
独特のカミサマがいるのは、非常に古い時代から
そこにヒトが集まっていたコトを示す。

冬は荒れる日本海、その航海は、昔なら命懸けであった。
険しい峠を越える琵琶湖方面への陸路も、危険や苦難が伴う。
そういう旅の安全を祈るべく、カミサマが置かれたのだろう。

後の時代になって栄えた新興の交易地では、他の土地から
有名なカミサマを引っ張ってくるコトが盛んに行われたもんだ。
「勧請」するのである。貨幣経済下の交易では「勘定」もするが。

しかし現在の市内の目抜き通りは、平日の昼間でも
シャッターを下ろした店が目立つような有様である。
物流環境の変化により、この要衝の地も重要度は低まったのだ。

駅ホームの喫煙所で大声で喋ってウロチョロしていた
2人の大学生らしき若い男たちは、「ホントにナニもねえな!」
「高層ビルもない!」などと、北風に震えながら叫んでいた。

アーケードの向こうには発電所の煙突が見えた。
ひょっとしたら市内で最も高い建造物ではないだろうか。
現代の敦賀市には、火力発電所と原子力発電所が置かれている。

そういえば「ふげん」も鎮座しているのだったな。
普賢菩薩といえばカミサマじゃなくてホトケサマだけれども。
(もう廃炉が決まったのだっけ?)

大量の冷却水を必要とする火力や原子力の発電所は、
日本ではほぼ必ず海岸沿いに建設される。特に日本海側。
太平洋側より人口密集地が少ないし巨大海溝もないから。

ここでも、やはり交易の要となった立地条件が生きているのだろう。
西日本の電力消費地に遠すぎず近すぎず程良い距離だ。
送電線は峠を越え、琵琶湖岸をひたすら南へ走らせていけばいい。

海が目の前にあり、港が近いコトは資材の陸揚げにも便利。
大量に必要な火力発電所の燃料も、低コストに輸送できる。
そして、発電所は地元に巨額のカネを落としてくれる。

雪国では生活インフラの構築・維持に多大なコストが必要だ。
アーケードや雪対策設備の数々は、そして行き届いた
除雪作業などは、これら発電所のおかげかもしれない。

なるほど、発電所という新しいカミサマも御利益絶大ってワケだ。
ただ、まだ若いカミサマだから、たまに祟るコトもある。
そういう不安は、古いカミサマに祈って払拭できるのか。

なお、本題とは関係ないが、今回は小浜市にまで足を伸ばして、
米民主党大統領候補者の躍進にちなんだネタでも書いてやろうかと
一瞬だけ思ったりもしたが、やめた。いくらなんでもベタすぎるもんな。

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