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2008/04/17

たまには時事ネタ(15) 天網恢々、そして漏れ漏れ

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最近、企業に対する規制が弱まる一方、
個人に対する規制が強まる傾向が妙に進んでいるように思える。
いちいち取り上げていたらキリがないのだけれども、
ずいぶんと厳しい締め付けのように感じられる。
しかしそれとは別に、割れるべくして置かれる窓になりそうなものは、
むしろ最初から作らないでほしいなあ、とも思うのである。

たとえば、出会い系サイトを届け出制にするとかいう案を
真面目に議論してる連中がいるらしいと知って愕然とした。
本当に規制できると思っているのだろうか。
そもそも迷惑メール規制でさえ満足な結果を得られていない。
インターネット上の社会に対して法律の枠組みというのは
ほとんどチカラが及ばないと考えていいだろう。

未成年向け携帯電話用サイトの規制の流れも同様。
規制の影響を受ける子供たちなどは、いい迷惑だ。
安全と思われる勝手サイトまで規制されては商売もしづらい。
個人に対する「○○の所持を禁ずる」という規制案も、
結局は同じ道を辿るような気がしてならない。
これまた、割れるべくして作られようとする窓ではないか?

「問題があるなら規制すればいい」?
「規則を作って守らせればいい」?
「守らないものは取り締まればいい」?
そんなのは、いくら何でも安直に過ぎる。
子供を持つ親の心境を巧みに利用した人気取りですかと。
詐欺師と何が違うのか説明できるのかと。

「違法コンテンツをそれと知りながらダウンロード」とか、
「児童ポルノの単純所持」といったトコロまで踏み込もうとする
動きに対しても、同じような懸念がある。
そういう規制をしようと考えてる連中の、
大元の目的に対しては、決して反対するものではないのだけれど
しかし、短絡短慮に過ぎる。それが非常に恐ろしい。
(衆愚の暴走が破滅をもたらした過去は、もちろん歴史で学んだよな)

長年に渡って厳しい規制が敷かれていて入手ルートの限られる
銃器や薬物でさえ、まるで根絶できていない。
ましてや今、非常に多様な入手ルートがあるモノを、
そして世の中に膨大な数が流布しているようなモノを、
果たしてどうやって規制できるものか。

「割れ窓理論」に基づいて考えてみれば、
喫煙の規制などでさえ厳しいラインにある。
路上喫煙を全面禁止として反則金を課し、
しかも指導員を巡回させている千代田区でさえ
ちょくちょく歩き煙草を見掛ける有様。
他の区では、指導員の巡回もほとんどor全くないもんだから
そんな禁煙ルールは全くと言っていいくらい守られていない。

でも、多くは違反であるコトを知っていながら、あるいは可能性を知りつつも、
「バレないから無問題」と考えているんじゃないかな。
これじゃ「守らなくても大丈夫だった」という経験をさせてしまうだけだ。
もしかしたら「割れるべく作られた窓」かと思うくらいに、杜撰な運用である。

ならば、さらに一層の規制強化をすれば済むのか。
一般的にみて、規制強化は労多くして実り少ないものだ。
よほどのことがない限りは、規制より摘発強化を優先すべきだろう。
もっとも、摘発強化に関しては、規制の方向付けにも依るが
やはりこれもまた問題を引き起こす可能性がある。

秋葉原や新宿では、警察官がオタっぽい男を掴まえては
路上で身体検査をして刃物を取り上げて点数を稼いでいるが、
アレはまさに「弱きを挫く」だけのような気がする。
犯罪者がオタだったらマスコミが喜ぶので目立つんだけれども、
実際そんなに多いかどうか。資料があるのかどうかさえ怪しい。
あるいは逆に、オタ文化が日常社会に入り込んでいる現状、
どこまでっていう線引きでさえ、もはや不可能に近いのではないか。

「疑わしきは罰せず」って、教わったのは嘘ですか?
疑わしいのを任意同行というタテマエの人の壁で心理的に圧迫して
実質的に逃げられないようにしてから路上で羞恥プレイ。
これを罰って言わないで、何と言うのかと。

実際、ある友人は、いかにもオタっぽい格好をしていて包囲され
鞄の底に入れたまま忘れていたポケットナイフが出てきたので
警察署に連れて行かれて2時間あまり出てこなかった。
とても犯罪などできそうにない男なのだが。
そして、帰ってきたときには、泣きそうになっていた。
そういう実体験から考えても、
気の弱い人を痛めつけるだけの行為ではないかと思う。

警察官は、昼間の繁華街の交差点に張るのも大事だとは思うが、
もっと人気の少ない深夜の住宅街を巡回していてほしいな。
通学時間帯の通学路周辺とかも大事だ。
それも、自転車に乗って走り抜けたり厳めしい表情で歩くのでなく、
誰からも話しかけやすいような雰囲気を漂わせつつ。
その方が、よほど犯罪抑止に役立つのでは?
点数は稼げないかもしれないけどさ。

そしてそのことを、地域社会が要望しているのかどうか。
もちろん、やってくれたら警察を評価してやるコトも大切だろう。
彼らだって、ただのヒトだ。
地道にやっても評価されないと思ったら、
せいぜい点数稼ぎに走るしか、逃げ場はないのだろう。
「良識ある市民の皆様」は、いかがお考えですか?

個人的に思う。
見せしめというのは、たしかに子供心に効果が高いものだ。
ただし大人の犯罪に対して。
子供の中での見せしめは、
時と場合と人によるが逆効果になりやすい。

「アレが悪くなくて、オレが悪くない理由が分からない」なんて、
昔のロケンローラーが言ってた気がする。
悪いコトをした大人が、大した罰も受けずに偉そうに生きている。
だのに、ちょっと悪さをしただけの子供たちは逃げ場もないままに
厳しくしかられたりしている、そんな世の中が嫌だったのだろう。

「それが悪いなんて教えてくれなかった」という大人たちへの怒りと同時に、
「それが悪いなんて気付かなかった」自分に対しても怒りが湧いてくる。
人間ってのは、どうもそういうコトらしい。

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