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2008/06/09

ニッチなのは生けないと思います

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「中流」という、本来は不安定極まりない基盤がいよいよ
完全に失われようとしている現在だからこそ、人々の多くは
それを名残惜しむかの如く多数派に集まってくるのだろう。

中流ってのは、一国が長期的に右肩上がりの安定成長を続けて、
その国が他を下敷きにして世界の中で上層に向かうような、
ある種の高揚感が伴う時代に特有のドメスティックな共同幻想だ。

というより、卵が先か鶏が先かというだけの問題で、実は
共同幻想を持つ中流の存在と国の成長とは密接に関連しており
中流こそが国の成長を支えているとも言えるのではある。

まあそれはともかく、さすがにそれは失われつつある中で、
しかし時代の変化ほどにはヒトの気持ちの変化は早くないから、
半ば無意識のウチに、幻想の残照に引き寄せられるのかもしれない。

しかしそれは、しばしば集団絶滅に結びつく。
ある集団が、環境変化の激しい中で生き残りを図るのであれば、
むしろ積極的に多様化して多彩な条件での生存に適応すべき。

とはいえ多様性の拡大は、かつて多様性が限られていた時代に
適応した人たちがそれに対応しきれず混乱を来す。
それで何を言い出すか。「規制」「罰則強化」「フィルタ」……。

だからヒトは全体としてみれば、もともと多様性を狭める
方向性を持った存在であるのだと言わざるを得ない。

まあ中流幻想そのものが、やはり内向きベクトルなんだけどね。
そういう意味では、とても日本的な考え方なのかもしれない。

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