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2009/01/03

A Hazy Shade Of Winter River

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今年で3年目になるか、初日の撮影は毎年恒例になりつつある。
いずれも多摩川沿いで、118°に近い方角に流れるあたりだ。
今回は、昨年や一昨年よりさらに上流の、拝島橋へ向かった。
国道16号の大きな橋で、両岸は下流よりも急な傾斜となっている。
過去2回は河川敷だったが、たまには橋の上から狙ってみよう。

現地は昭島駅から徒歩20~30分。到着したのは午前6時半頃。
すでに薄明の時間帯で、橋の歩道には近隣住民らしい人々が並ぶ。
同行者1人と相談しつつ流路ほぼ中央の真上に隙間を見つけて陣取る。
眼下の川面は静かに凪ぎ、空のグラデーションを鏡のように映す。
ときおり背後を走り抜ける大型車が橋を揺らしていく。

そういえば、今年は初めてデジタル一眼レフで初日を狙うのであった。
昨年まではデジタルではあるがレンジファインダーだった。
おかげで望遠レンズも使いやすくなり、構図の自由度が広がる。
同行者も昨年デジ一眼を入手してカメラ趣味を再開したばかりなので、
機材を準備しつつ、露出や構図などのポイントを簡単に説明していく。

とはいえ2人とも旧式のマニュアル専用レンズを使っているから、
昨年の周囲の撮影者のようにAFやAEが迷う心配がない。
ISO200、F5.6、1/30あたりからシャッターを切り始める。
地平線のあたりに色温度の低い光線が徐々に広がり、明るさを
増してきたのに合わせ、少しずつシャッター速度を上げていく。

同時に、周囲からもシャッター音が連続で響いてくる。
太陽の先触れとなる明るい領域は、思っていたより右手だった。
「これだと川面にかからないね。ちょっと場所がズレたな」
「でも、正面の凸形の建物にひっかからなかったから、まだマシだ」
明るさは急速に増していき、さらに露出を頻繁に調整する。

昇り始めた朝日は、凸形の建物のさらに右側の木立の間だった。
標準系から望遠135mmに切り替え、人工物を入れぬようフレームする。
冷え込みに息つくバッテリを騙し騙しシャッターを切っていく。
手もまた冷え切って、痺れを感じるまでになっていた。
そして太陽は地平線を離れ、右手の稜線の上空へ向かっていく。

警察の車両が現れて橋の上に路駐していた車を追い払う頃には、
歩道に立ち並んでいた人影も少しずつ減りはじめていた。
機材を片付ける者、名残惜しむように撮影を続ける者。
同じ名残惜しむならと、それぞれ帰路につく人々の流れから離れ、
ついでに下の河原へ降りて散策してみるコトにした。

せっかくだから、低い視点からの眺めを見ておきたい。
左岸には起伏の多い河川敷があり、細い支流も流れている。
いったん橋の上流側へ回り込めば東に川面を望む場も見つかる
とは思いつつも、未明に踏みこむのは難しいと判断して
橋の上の撮影を決定したが、明るくなれば歩くのも容易だ。

支流の流賂は、冬の水量減のおかげか、部分的に途切れていた。
上流に少し踏みこんだところ、その切れ目が見つかった。
枯れ草の中、踏み分け道が下流へ向かって続いている。
橋より下流のあたりで支流の川沿いに出ると、足許は霜柱。
その上には、一面に長い霜の結晶を生やした落ち葉があった。

目の前の支流の水面は数mmの厚みで結冰している。
これが、お誂え向きに東の方角へ続く構図だった。
さらに向こうは、本流との間を隔てる枯れた叢。
だいぶ高度を上げた太陽が、背景に入り込む。
もはや初日の出とは言い難いが、これもまた佳い景色である。

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