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2009.02.02

自称逸般塵の不通の日記(54) 他に、利すべきモノを持てるか

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国家てのは、しばしば利己主義化してしまいがちなもので、
それが世界中を巻き込む問題になるコトも少なくない。
特に米露中あたりの超大国となると、影響は非常に大きいが、
実際に連中が利己主義的政策を実行している例は少なくない。

余談だが、「北方領土ビザなし交流」に出入国カードを要求した
という件なども、ある種の大国エゴに相当するかもしれない。
しかし、これに対し日本では態度を硬化させている様子も
みられるが、いささか短絡的な反応のようにみえてならない。

「出入国カードを出せば領土でないと認めたことになる」
なんて意見もあるようだけれど、どうなんだろう。
日本には、かつて占領下の時代があったのだし、
一部の島々は、その後しばらくしてから返還された。

今そこは実効支配されている状態にあるのだと認めた上で、
旧情復帰すなわち返還を求めるという考え方も可能と思うのだ。
今、どうなっているかという現実をきちんと把握した上で、
将来的にどうするか考え、行動していった方が良いんじゃないか。

こんな一件をみるだけでも、利己心と短慮とが見え隠れする。
そういう例は枚挙に暇がない。それこそヒトの、個人対個人
という最小スケールから、国家対国家の巨大スケールに至るまで、
あらゆる規模で、かつ歴史的にも常に、見受けられる。

法人が株主の利益や会社の財務を最大にしようとするあまり
容易に利己組織化してしまうコトを考えれば、国家だって
利己主義化する方向にあるのは説明するまでもないワケだが、
しかしそればかりでは、不幸が増えるばかりではないだろうか。

なにしろ利己は排他に繋がり、エスカレートしていくのが常だ。
行き着く先は、しばしば両者ともに損をする残念な結果となる。
それを早い段階で避けるには、ある程度は利他的な行動をする
必要があるし、むしろ利他的な方が特をするコトも少なくない。

ヒト集団が利己主義化していくシナリオは、以前にも何度か考察
してきたが、その根本には集団に関与するヒト自身の利己心がある。
それらが集約されて組織の中で増幅されていった結果として、
組織全体の強力な利己的行動として現れるのである。

個人が自身の利己や、その所属する組織の利己のみを考える
ばかりで他の利己を認めないという姿勢が、また主として短期的な
考え方に基づいて利益を考える傾向が、その増幅をもたらす。
簡単な言葉で言えば、「視野が狭い」というトコロだろうか。

ならば逆に、それとは違う方向を目指し続けねばなるまい。
他より広い視野を持って、また他より長い視点で考えて、
そうして将来像を思い描き、実行するようにしていく。
とても陳腐な表現かもしれないが、「ビジョン」というヤツだな。

ヒト集団が利己主義化しないようにするには、まず集団内の
ヒトの利己の程度を抑制し、長い目でモノゴトを考えるよう
動機付けていかねばならないが、これを実行するのに最適な
立場は、集団を率いる地位にあるヒトorヒト少数集団であろう。

法人はステークホルダーに対し、国家は国民や諸外国に対し、
それぞれのビジョンをきちんと説明できているのか。
いやそれ以前に、そもそもトップが語れるだけのモノを
持っているのかどうか、そここそが問題になってくるだろう。

でなけりゃ衆愚のままに不幸な国家となっていくのを避けられまい。

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