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2009/05/08

理系用語で読み解く社会(48) 議論の不可逆性と、ある程度の粒度のヒト集団によって構成される強い正のフィードバック回路について

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同じテーマで、方向性の異なる2題。

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・その1

批判に対して反対方向から批判を加えると的外れになりがちなものだ。
どうしてもヒトのコトバなんて不完全なもんだから、かなり頻繁にある。

たとえば「総論賛成各論反対」という意見を述べたつもりであっても、
何故か全面反対と受け取られて、強い反発を招いてしまったりする。

それだから批判の批判の批判は、もっともっと的を外していってしまい、
もし元に戻そうとして言葉を尽くしても、これまた逆効果になりがちだ。

そうこうするウチに混迷の中で焦燥感と徒労感ばかりが募っていって、
皆も次第に投げ遣りになってしまって、後は野となれ山となれ……。

そんな雰囲気が周囲に蔓延していけば、もう誰も真剣に対話しようとは
しなくなり、議論の場は何れも即ち殺伐とした闘争の現場と化してゆく。

こうして悪意は、困ったコトに循環しつつ増幅してしまう。
(もちろん、善意も循環するコトはあるのだけれども)

この悪意のサイクルが、ちょうど氷河期に向かおうとする気候変動のように
正のフィードバックに入り込みかけているようなのが、現状なのではないか。

容易には押しとどめられないだろうし、むしろ無理すれば流されてしまう。
「力」や「数」の要素が卓越した条件下では、個人など無力なものである。

せめて今は上手にやり過ごして、再び温暖期に向かう時代に備えつつ、
せっせと善意を蓄えておくのが良いのかもしれないね。子孫のためにも。

あるいはもしケスラーシンドロームが発生したって、いつかは軌道上の物体も
重力的に安定な状態へと移行していって、少しずつ落ち着いてゆくはずさ。

もちろんそれにはヒトの歴史と比べても長い時間を要するのは間違いないが、
それでもなお子孫が生き残っていたならば、ついに晴れた、って思うだろう。

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・その2

正のフィードバックによって構成されている流れの逆転というのは、
かなり急激に生じるコトがあって、えてして振動、あるいは反動となる。

複雑系の中では、通常は正のフィードバックが働く部分でありながらも、
ある時期を境にして方向性が逆転するようなケースがあるらしい。

そうなれば、ほぼ確実に行き過ぎるコトになる。
ちょうどいいというトコロは、ほんの一瞬だったりする。

これが、善悪の軸でなくて、例えば右と左の軸なんかだったりすると、
まあ大概、いろいろと禍根が残ったりするような結果となるワケで。

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