« 無車線道路 | トップページ | 半生紀(22) 要するに頑固な偏屈者なのだろうけど »

2009/12/15

たまには時事ネタ(60) むしろ“仕付け”とか思う

20091215_dscf2343_1s


単年度会計における経済効果という一軸でのみの判定、
対象事業に精通しているとは限らぬ人物が判定を下す点、
非常に短時間の議論、財務省による予備知識、などなど
さまざまな問題が指摘されている某行政刷新イベント。

いまさら話題にするなんて、「いささか遅きに失している」
などとヤジが飛びそうだが、急いでるワケじゃないのでね。

なにせ米国的企業経営に似た方法なものであるから、
カタチだけ導入すれば日本企業が外資の手法を真似て
失敗していった過去の歴史を、国家レベルに拡大劣化
コピーしてなぞるだけの結果になってしまいかねん。

リスクを避けるならば、それぞれの現場が自らの手で
熟知している小さな事業単位で実施した方が良かろう。
そしてトップは全体としての戦略、手法や指針などを
あらゆる現場に浸透させて考えさせるのが仕事のはず。

トップダウンにも良さがあるとは知っているけど、
決してそれだけで改革が実現できるものではない。
しばしば、トップダウンと並行して逆のベクトル、
ボトムアップが伴わねば失敗しがちなものである。

今回のイベントを単一事象として捉えるのでなく、
中長期的な観点で考えてみれば、「仕分け」という
手法の有効性と限界点を広く世間に知らしめる
効果は大いにあった。デモンストレーションとして。

あるいは、問題点を洗い出すための、
ちと荒っぽい耐環境性試験のような。

たとえば批判百出の学術研究分野についてみても、業界
全体のみならず国民全体にみられる思想のようなのが、
変化の激しい社会の実態と噛み合わず揺らぎつつある、
そんな課題が見えてきたのではないかと思えてならぬ。

今の日本においては、研究で稼ぐ、という方向性が
諸外国に比べるといささか希薄すぎる気が否めない。
むしろ忌避されがちなのではないかと思うくらいに。
清貧思想は悪いコトじゃないけど、隠者じゃ食えぬ。

実際のトコロ、評価だけは結果重視だったりするので、
いろいろと矛盾があるようなのが、この業界の現状。

そう、このように経済性重視の評価軸を与えられるなら、
もっと稼ぎを狙っても構わないような風潮があっていい。
もちろん、それだけでは、すぐカネになる分野のみ研究
予算がでるような社会になってしまうコトは間違いない。

だから一方で、長期的な視点に立った施策も必要だ。
研究機関が稼いだ資金の一部を将来への投資として
基礎研究の分野に回す動きを促進してやったり、
税金から投資するような手も欠かせないだろう。

火種を絶やさぬようにするには常に燃料が必要だし、
風通しを良くしなければ不完全燃焼の危険も高まる。

スポーツだの芸術だのサブカルだのといった文化から、
経済や財政、外交や安全保障、エネルギーや環境問題
なども同様であろう。短期中期はもちろん長期的にも
ポリシーやビジョン、戦略といったのがあってほしい。

いずれにせよ、「この国をどのようにしたいか」
という認識が問われるコトは間違いないのだけど、
それは政治屋や役人に丸投げするのではなくて、
より多くの人々が考えた上で、まとめていきたい。

--
貧乏して、ようやく納得したコトが一つある。

「使うための稼ぎは、より儲けるための稼ぎだとか、
個人的な不安に備える蓄えのための稼ぎなどとは違って、
決して悪いコトではない」と。

ある意味では、貧乏によって躾けられたようなもんだ。
それにしてもアタマが悪い。そんなトコロに気付くにも
半年以上の貧乏生活をせねばならんかった。

|

« 無車線道路 | トップページ | 半生紀(22) 要するに頑固な偏屈者なのだろうけど »