佐渡汽行(5) 遅蒔きながら遠巻きしながら
宿を出れば空は見事な秋晴れで遮られぬ日射が周囲の気温を上げていくトコロ。
車輪が空転してしまいそうなほど落葉が積もり夜露に湿った山道を避けるため、
またついでに他の港町を見ておきたかったので翌日は大きく遠回りをしていく。
さらに途中で寄り道。今度は平地にある古刹やトキ保護センターで里山の風情。
どうもなかなか真っ直ぐ目的地に辿り着くような気持ちになれないでいるのか。
あまりに久し振りだから、少しばかり後ろめたさもあったのだろうとは思うが。
そして目的地で墓参。
今年で12年目になるのだが、この場所まで足を運んだのは4~5回目でしかない。
貧乏と多忙とで、ほとんど毎回のように近い方の墓地で済ませていたのだった。
そういう意味では、さして遠くないとはいえ気持ちの上では距離が遠かったな。
だが、また必ず来る。
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