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2011.03.23

社会の地層から

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震災から約10日間の社会情勢には規模の違いこそあれ、
過去の大規模災害とも共通するヒトの動きがみられる。
特に顕著だったのが、災害心理学でいう非常時規範だ。
コイツは日本人の特性ではなくヒト共通のものだけど、
特に今の日本国内では強く働いているように思われる。

一人の英雄より無数の人々の活躍が目立つ現代の日本。
広域災害時には、まさにこういった活動こそ役に立つ。
過去数十年徹底して巧遅を尊んできた日本ではあるが、
有事に遇い拙速を学んだのは希有な経験となったはず。
まして戦後世代が社会を支えている現代では尚のコト。

一方で平時からの流れとして政治や官僚、大企業への
不信の声も、若干控えめとはいえ相変わらずであった。
地震いて人固まる、とは言えるように思うのだけれど、
何というのか揺れで固く締まった地盤から液状化した
砂泥が噴出してくるようなものなのかもしれないなあ。

地表面を覆うのは噴出物だが下には地盤が隠れている。
ただそれだけなのだけど見た目が一変するのは流石に
多くの人たちが戸惑ってしまうのだろうな、とも思う。

逆に危機的状況からイノベーションが進んだりもする。
今回のような広域大規模災害が、少しずつ動いていた
社会の変化を加速させるケースも、よく知られている。

発災直後の通信輻輳状態の中では放送と並んで情報の
通信網が大いに役立った点は過去の大災害にない状況。
これまでITアレルギーで敬遠してきたような人たちも、
電話やメールが通じない中でも携帯電話のIP通信など
新たな連絡手段が活躍した事実には注目しているはず。

すっかり個人主義に染まったと思われていた日本社会、
だけれど避難所での生活や疎開先への移転に際しては、
隣近所の人付き合いなどを含めたコミュニティ単位で、
つまり個体でなく「人の間」も込みでの動きが目立つ。
そんな社会構造の再確認再認識も着実に行われている。

いずれにせよ幾つのか小さなベクトルが兆しつつあり、
今後いくつかの力が複合して大きな変化をもたらそう。

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