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2011/07/19

ニホンのキホン「オールジャパン、オアナッシング」

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企業内では部署ごとに個々の事情があり、
しかも妙な具合に同族意識が強くあって、
内へ内へと結集したがるものだから逆に
外との連携が上手く行かなくなったりで、
たとえば一つのモノを作り上げるのにも
いろいろな部署にお伺いを立てたりする
必要があったりと、なかなか進まないし、
出来上がったモノは面白くも何ともない
なんてのは、まあ良くはないんだけれど、
割とよくあるハナシだったりするワケで。
それは標準反射板のように無味乾燥、と。

政治もまた同様に地域だとか省庁だとか、
あるいは政党とか派閥だとか有象無象が、
それぞれの内部事情だけを優先して要求、
他のトコロの都合なんか、目もくれない。

しかも相互の間にあるのは不信感だとか
怨恨関係だったりするからやってられん。
対話しないもんだから妥協も期待できず、
呉越同舟など以ての外、なんてトコロだ。

なので船頭多くして船山に上る、となる。

特定のトコロが我慢したり犠牲を払って、
なんとか全体のバランスを保っていくか、
あるいは誰も彼もが我慢したがらなくて、
全員が残念に思うような結果に行き着く、
なんて状況、そりゃ当然でしょうよ、と。

疑心暗鬼に取り憑かれたような関係の中、
上手く関係者全員の間を渡り歩いて話し、
そいつをどうにかこうにかまとめ上げる、
などの工夫と努力を払うくらいしかない
とは思うのだが、ところがそれでさえも、
「アイツは味方ではない」と思われたら
時間も労力も無駄な上にリスクも食らう。
そんな失敗をせぬよう細心の注意を払い
どうにかこうにか妥協を取り付けたとて、
時間とコストは必要以上に浪費しており、
結果として時機を逸したり損を出したり、
やはり、あんまり嬉しくない結果になる。

そして最後には必ずといっていいほどに、
誰もが責任を他者に押しつけ貶し合って、
そうしているウチに疲れ切ってしまって、
皆が泣き寝入りした後には、致し方なく
飲んで手打ちにした上で、熱さを忘れる。

次へと繋がる反省は、残念ながら出ない。
いつも必ず総論賛成各論反対百家争鳴だ。

(「責任をなすりつける」or「自分で何とかしようとしない」)and「資本力低下・労働人口減少」 means「ジャパン力ウントダウン」てなトコロだろう。

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それはつまり全体最悪という結果を賭け、
破局へと突っ走るチキンレースなのかも。
前に読んだ本の、こんな一節を思い出す。

「憲兵 元・東部憲兵隊司令官の自伝的回想」(大谷敬二郎/光人社NF文庫)より
そのころ、わが国の技術陣は、そのすべてが陸海軍に動員されていた。陸海軍管理工場の奥まった一室には、立ち入り禁止の札がたてられ厳重に警戒されている。学者や技術者の秘密の研究室である。だが、これらの研究室に閉じこめられていた学者、技術者たちが、どこまで新兵器なるものに打ち込んでいたものか、わたしはよく知らない。しかし、事は敗戦後に反省されていたように、わが国の科学水準が相手国に比べて著しく低劣であったということは確かなようである。そのうえ、陸海軍の割拠主義、相互秘密主義、それに学者の奪い合い、研究費の出し惜しみ、目先のことに忙しく、遠大な長期にわたる研究態度の欠如など、こういった悪条件のもとでは、決して斬新卓越した新兵器を生み出すことはできなかったであろう。敗戦は物量の不足だけではなかった。

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