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2011.08.15

ニホンのキホン タテマエがアキラメに変わるのは容易じゃない

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意志決定の場に居合わせる人たちの多くが無理だと分かっていても、
組織のタテマエ、個人の体面、そして国民の膨れ上がる欲求の前に、
止めるコトさえできぬまま、ひたすら突き進んでいくような時代が、
このニホンというクニには何度かあって、何度か破綻を迎えている。
おそらく上古の世から今に至るまで、そういった全国レベルの組織
運用に成功できていた期間を通算しても、そう長くないと思うのだ。

もっと問題が小さなウチに解決できていれば、もっと小さな問題を
きちんと組織立って取り上げていれば、なんて後悔は先に立たない。
小問題は小組織が対処すべきタテマエであり、小組織には所属する
大組織に対して無問題だと報告すべき義務を負うのがタテマエだし、
大組織はステークホルダーに無問題だと報告し続けるのがタテマエ。

実際、小問題が小組織で解決できる程度であれば、これで済むのだ。
小組織は無数の小問題に取り組んで、実際に解決してきたのだから。
解決途中の段階で不用意な情報流出があれば、むしろそれが問題で、
解決できる問題でも解決できなくなってしまう、と信じられている。
つまり平時に問題を拡大させないための方策というコトなのだろう。

だから大組織は作文能力や、辻褄合わせの機能ばかりが求められる。
あらゆる小組織がタテマエをアキラメたり、あるいはまた壊滅状態
というほどの状況に陥ってもなお、その高度な能力は大組織自身を
騙しステークホルダーに無問題であるとの情報を発信し続けてきた。
すっかり平時でなくなったにも関わらず対応は平時そのものだった。

平時と有事の切り分けが曖昧であるという点も考慮する必要がある。
よほどクロに近くても灰色であるならばシロと言う余地があるから。
大小問わず組織というのは何らかの契機に応じ状況判断を変えるが、
例えば「前期比10%減」といった具合に変化Δのみを捉えていれば、
もともと1.0だったのが7期後には0.5を下回ったとしても「無問題」
だと言い続けるくらい、作文技術の上で言えば大して難しくもない。
(ましてや、どれだけ10%減が続いても絶対にゼロにはならないし)
そういうタテマエで動いている組織内では個人もタテマエに沿った
指示命令を受けるし、それに従って活動していかなければならない。

問題を先送りするのは簡単なコトだし、外から問題を指摘するのも
また非常に簡単なコトなのだけど、組織内のタテマエにより先送り
されている問題点を組織自身が直視して対処するのは非常に困難だ。
そんな困難さに立ち向かうコトができるような組織体制の作り方を
今に至っても見出せていないままなのに世界有数の経済大国という、
奇妙な状態でいられるのは、きっと環境に恵まれたからではないか。

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もちろん環境の変化に対する認識もまたΔで判断して先送りされる
傾向が非常に強いというコトは、繰り返し説明するまでもなかろう。

可能性が完全にゼロになるまで諦めないというのは美徳らしいけど、
その理屈はゼロ寸前で逆転勝利するという奇跡を求めるのと同義だ。

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