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2012/02/21

自称逸般塵の不通の日記(332) カメラと、観光地での会話について

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家族連れにカップルに、外国人連れの若者グループが、
なんとなく頃合の時間になるとロープウェイ待ち行列。
ロープウェイは山頂駅の行列を処理しきれず臨時運転。

ラッシュほどではないが山麓駅で混んだゴンドラから
下りたトコロで、写真を撮ってくれと声を掛けられる。
ゴンドラの前で記念撮影をしたいというコトらしいが、
3人連れのうち2人からコンパクトデジカメを渡されて、
実は内心かなり戸惑いながらボタンを押して撮影した。

画面を見ながら「カメラ持ってる人に頼んで正解だね」
などと言い合っているのを見ると、何とも言えぬ気分。

なにしろコンデジに触れる機会が非常に乏しいもんで、
つい「期待した通りの画を撮れる設定になってるのか」
「そもそもどんな仕様の道具か」など考え巡らせつつ
腕の先で落ち着かぬ四角い箱の液晶画面を睨みながら
動作のタイムラグを脳内で調整しながらボタンを押し
それっぽい画になるかどうか不安を抑えて、ようやく。

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山向こうに日が落ち急に気温の下がった参道を下って
駅前の信号のところで再び少し撮影していたら今度は、
一人らしい熟年男性が少し酔った声で話し掛けてきた。

都内の建設業の人、土建組合の健診で肺ガンの再検査、
翌日は病院に行くのでその前にと足を運んできた云々。
「酒飲めなくなるかもしれないんで、今日は飲んだよ」
「もう明日は起きて検査に行けさえすればそれでいい」
と、駅までの道すがら喋りかけてくる様子は、まるで
日が暮れて空が暗転するまでの光陰を惜しむかのよう。

10年か20年したら、ひょっとして同じような道を辿る
のかもしれないなと思いつつ、いかにも心残りがちに
「もう少し飲める店を探してみるよ」と川の方へ去る
その男性の小さな後ろ姿を見送り、電車に乗り込んだ。

その日の夜に実家に立ち寄る約束をしていなかったら、
きっと一緒に店を探し、夜の更けるまで飲んだだろう。

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