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2012.02.11

出張旅行記(48) 雪の京の東の山の中の道

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今回の出張が前泊となった理由は、アポイントが朝イチだったから。
早く始まれば早く終わるのが道理であり、正午には解散して京都駅。
のんびり昼食後、カメラ以外の荷物をコインロッカーに預け再出発。

割と使い慣れた銀閣寺行きのバスに乗ってから行き先を考えてみる。
だいたい何も考えないでいると最後まで行ってしまって哲学の道だ。
今回は少し違ったルートにしてみようと祇園で途中下車をしてみる。

八坂神社から円山公園、知恩院を経て地下鉄の蹴上駅付近へと出た。
南禅寺に入る前にインクラインの線路に沿って粟田口へ登ってみる。
船溜を跨ぐ橋の先に山の中へ通じる道があるのが気になってさらに
上へ上へと吸い込まれるように登っていって、行き着いた先は神社。

名は日向大神宮、小さいながらも外宮内宮の複本殿を持ち、どこか
伊勢神宮を思わせる構成、かなり長い歴史を持つ神社であるらしい。

青空が見えたと思えば曇って小雪がチラついたりする不安定な天気。
茅葺きの本殿の屋根や本殿の前の厚く苔生す地面に、静かに降って
白く化粧していく雪の中で参拝し、振り向けば白いものの舞う境内。

内宮の脇には、さらに奥へ登る道があり「天の岩戸」へ至るという。
引き込まれるように上がっていって岩戸を潜ったら、まだ道は続く。
もはや山中の踏み分け道のようで細く、落葉に埋もれかけているが、
案内によると南禅寺へと向かう道だというので、そのまま踏み込む。

荷物を預け軽装とはいうものの、仕事の背広に黒いロングコートと
黒い帽子という、極めてアーバンな格好だから、ちょと似合わぬが、
足許は例によって革靴風の安全靴、少しくらい荒れた道でも平気だ。

しかし道は、ところどころ傾斜が急な上に露出した岩盤には濡れた
落葉や湿った泥、斜面をトラバースする部分では上に崖、下に崖と
街中のように気楽ではいられない、手掛かりを掴む際に不安がない
ようにと手袋を着け、普段よりは慎重に足許を踏み締めながら進む。

しかも道は曲がりくねって、ときに分かれ道らしき部分もあったり。
ケータイのナビを見ると道こそ出ているものの位置情報は不安定で、
やはり頼るべきは自分自身の感覚だったなんてのが、人生にも似て。

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しかし千年余の古都すぐ近く、地下鉄の駅から20分30分歩いた程度、
そんな場所でもありながら無常観や孤独感、また自然の力への畏怖
など感じさせてくれるあたり、割とお手軽な宗教体験だったのかも。

そんな風に考えながら山道を散策していった先には沢が流れていて、
岩を穿って作られたらしき小さな祠が点在する谷間の奥には滝行場。
それらを結ぶ石段は谷を下っていく。南禅寺の奥の院であるようだ。

そういえば、すぐ北に隣接する熊野若王子神社を以前訪れたときも、
奥に同じような谷の修行場のような祠や滝があったのを思い出した。

きっと千年の昔から、都会の人々というのは人に倦み疲れて孤独を
求め山中に籠もったりしては、再び都会に戻っていったのだろうな。

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