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2012/03/16

読み返り振り返し 思いばかりは上りゆく

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震災や原発事故の対応では不満の声が多く取り沙汰され、
「もっと上手くできたはず。なのにそれができなかった
というのは無能か悪意が原因」といった考え方が目立つ。
でもそれってヒトならできて当然だという思い上がりの
ようなものなんじゃないか、という風にも思うのだよね。

何しろヒトというのは情報の拡散が非常に選択的なもの。
日本はダメだなと思ったが最後、良くない情報ばかりが
目に飛び込んできて、そうだとしか思えなくなっていく。
その人が他の人に伝える話題も良くない方の内容ばかり、
ヒトビトのウワサはネットやマスメディアを通じて集約
拡散され、気付けば日本中の誰もがそういったキモチを
共有しているかのように思えてしまうに至る、のが実態。

そんな「何か上手く行かない」の原因を災害に求めたり、
あるいは政府だの官僚だの大企業だのに求めていたりと、
あまりに皆々様が騒々しくて遂には首相チェンジなんて
トコロにまで行き着いたコトに呆れたので小説を書いた。

どんどん暑くなっていく時季でもあったので、いささか
イラつきのような感情も入ってしまったけど、まあいい。
そんなのは自分で向き合って何とかする以外にないので。

自分の感情の原因を他者に押しつけてしまうのは簡単だ、
けれどもそれはどこまでもエスカレートしてしまうので、
どこかで歯止めを掛けられないと自らの呪いの穴に嵌る。
できるコトなら最初から近寄らない方がいいのだろうに。

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にしても善にしろ悪にしろ原因を探りたがるよねみんな。
唯一なる理由に頼る感覚は「神話化」と同根ではないか。
何か一つのシンボルに頼ってしまうのは冗長性がなくて
(精神的に)非常に脆弱そうだと思ってしまうのは少数か。

本来ヨノナカは完璧な構成なはずなのに悪い存在がいる、
という風に考えてしまうと、誰にでも起こりうるような
「あってはならない、良からぬコト」について、「本来
ならば存在しない、裏には悪意があるのではないか」と
いう具合に憶測が膨らむものの悪者が決まれば安堵する。

そういう考え方は事象を特異的にみてしまう危険がある。
「誰にでも起こりうるコトだから、それをなくすように
努力する一方で、その人物や組織をなくそうとはしない」
といったトコロが、落ち着き処ではないかと思うのだが。

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