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2012/09/07

科学系ヨタ話(18) 技術を開発しながら成熟させて運用していくというハナシ

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個人の能力やリソースは人それぞれ差があるけど、
いずれにせよ一人ひとりの限度というのがあって、
それを上回るようなモノゴトに取り組むときには
他者の能力やリソースを使うのが、ヒトならでは。

で、地図だとか全体像だとか相場感といったのは、
他者を上手に活用したいときに、特に役立つもの。
他の人たちが構築した知識体系を使わせてもらい、
またその分野の人たちの話を理解するにも役立つ。

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科学や工学などは昔から縁ありまた好奇心も強く、
大まかな地図が描けるくらいには知っている分野。
そこまで知っていれば、どこへ行きたいかという
好奇心に沿った情報へアクセスするコトも容易だ。

先日、少し仕事が空いてた時期に行ってきたのが、
『理学科学・工学技術の両輪』を持つユニークな
研究機構、その工学部門の、技術報告会・第一回。

同機構は科学研究でも最先端を走っているために、
やもすれば科学分野の成果にばかり注目が集まり
がちだが、工学部門の成果も実は物凄いのである。

たとえば、ここ3年ほどでは3機の自律観測機器を
並行して開発、大きなトラブルもなく実環境試験
への投入にも成功し、戦力化を急いでいるという。

その元となるモデルは数年前に開発を行っており、
技術のプルーフは済みノウハウも蓄積されている
とはいえ、それぞれ新機軸を盛り込んでの開発だ。

もちろん、開発案件は他にも数多く手掛けており、
観測や計測のための装置だとか、特殊な環境での
通信や測位の基礎技術だとか、内容は実に幅広い。

そうやって開発してきた機材や技術というものは、
科学観測などで実用されてこそ、意味を持つもの。
というより、実用を目指しているからこその工学。

最先端の技術を開発して実用に供するだけでなく、
それを成熟させて枯れた技術とし、安定運用する
ところまでが、この工学部門の役割となっている。

20年以上の歴史を持つ装備も数多く運用しており、
それらは部品更新やリニューアルを繰り返しつつ、
やはり大きな事故なく、着実な成果を挙げている。

機構内のみならず外部の研究者、さらには社会の
ニーズまで、「どこへ行きたいか」という要求に
応じて適切な工学技術を提供するというあたりは、
さしずめ生きた地図のようなものなのかもしれん。

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